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更新のお知らせや管理人の日常


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「怒るかな?きっと、選べない。誰の手をとるだろう、私は。きっと、誰かひとりを決めるなんて怖くてできなくて。それで、みんなを失うの」
ぽつり、ぽつりと、零れる言の葉に耳を澄ます。
そして降り積もる、いとしさ。
「それは、おひーさんが薄情なんじゃなくて」
まだ幼いひと。けれど誰よりも心というものを知っているひと。
いつか、俺はあなたの胸を騒がす雑音にさえ殺気を向けてるんじゃないかと思うよ。
見えないものにさえ。触れることもできないものにさえ。いや、だからこそ。
「おひーさんが、この世界の誰よりもひとの感情ってのを知ってるからだよ」

 

 


降り積もる情慕

 

 

 

焚いている焔が辺りを照らす。闇で覆われた森の中で、唯一そこだけが光を発していた。
ただ一つの光源。火は暖かく、冷える夜には、眠りに落ちるその瞬間まで熱を与える。翠だけのために。

(そもそもなぁ。こんなちっこい女の子が旅なんてするのが間違ってる)

ユカリはひとりごちて、思う。最近トレーナーの低年齢化が進んでいる。さあ、冒険だと故郷を出発したは良いものを、それまで家で甘やかされて育った
坊ちゃん嬢ちゃんにいったい何ができよう。さらに、ポケモンをゲットする?飼いならされたものならいざ知らず、外の世界にいるのは野生として厳しい
自然で育った猛者ばかりだ。結果、想像と理想のギャップに驚いて、憤り、泣きながら故郷へ戻る者は後を絶たない。
――こんなはずじゃなかった!!
では、どんなはずだったというのか。
俺たちは皆あんたにひざまづき、頭を垂れ、忠誠を誓うとでも?

「寒くない?」
「ん?大丈夫よー、おひーさん」

でも、と顔を曇らす少女が、どうしてそんな悲しげな表情をしているのかがわからなくてユカリは内心で首をかしげる。夜の帳が落ちたとしても、ユカリ
は人間ではないから。もともとユカリの住まいは人間の世界とは一線を画した山奥だった。彼の種族は見た目があれなので誤解されやすいが、そうそうの
悪環境ごときで屈しはしない。

「おひーさん?」
「哀しい顔をしていたよ」
「俺が?」
「そう、ユカリ君が」

言った後、ゆっくりと翠は瞼を伏せた。もうずいぶんと遅い時間だ。眠気に襲われているのかもしれない。
布を一枚、彼女の上へと羽織らせる。ほんとうに、こんな小さな体で。
ヒカルはよくできた男だった。世界の理をよく知っていた。ほんとうに欲しいと願うのなら、それに見合うだけの労力をかけなければならないこと。
力を手に入れなければいけないこと。
そして、それでもままならないことがあるのを知っていた。
それは翠にも受け継がれている。もしかしたら元から気づいていたのかもしれないけれど。

自分では動かしようもない事実。誰かがそれを運命と呼んだ。

「おひーさんは、さあ。どうして旅なんかしようと思ったの?」
眠っているなら、それでも構わなかった。ただ、今瞬間に聞いてみたいと思った問いだった。
しばらく答えは返ってこず、ああ寝たのかとユカリはもう一枚厚手の毛布をかけようとして。

「……運命、かな」

喜びも悲しみも憤りも憎しみも諦めさえ、何もかもが混在した声だった。運命。あなたはそれを信じるのか。

「運命?」
「そう。流されて流されて、私は今ここに居る。何か見えない大きな力に。……運命、偶然でも必然でも、もうどちらだとしても私はいいのだけど」
みんなと、会えたからね。
最後に小さく付け加えて、今度こそ翠は黙り込んだ。
「……寝ちゃった?」
返事はない。小さな体を自分の方へと抱きよせて、少しでも風の防波堤になれるように。
控え目な寝息は、ユカリの庇護欲をかきたてる。自分は、自分の主として彼女を見ていないのかもしれないな、と自嘲にも似た思いとともに突然気づいた。
ならば何かと問われれば非常に返答に困るが、これはもしや一族へ向ける、愛、にも通じるものではないだろうか。
(あい)
愛、だって?
はたと気づいて目を見張る。ユカリの心情など誰も覗き見ることなどできないのに、どうしてか当惑するほどいたたまれなくなった。愛だって?

「ユカリ、君。紫君。ねえ、あなたは、知って、いるんでしょう?」
「……おひーさん?起きて」

腕の中を覗き込むと彼女の目蓋はしっかりと閉じていた。なんだ、寝言かと息を付いて、その意を考える。知っているかだって?いったい何を。
「――――あなたが、今俺が抱いている想いを知ったなら、喜んでくれるだろうことなら知っているよ」
世界は、恐ろしい、と。ひとがこんなにこわいものだなんてしらなくてごめんなさい、と。
束縛を越えた先にあるものがなにか。わからないけど、きっと破滅に近い存在だと本能的に翠は気づいているのかもしれなかった。ひたすらに恐怖する翠であるから、
ユカリが恐れ多くも『主人』に、対等、いや、守るべきものという意味では下に(誤解を恐れずにいうなら、だ。自分は決してそんなつもりはない)見ていることを
あなたは悲しまないだろう。むしろ、喜ぶのだろう。

「ツユに知れたらぶっ殺されそうだわ」
小さく小さく、ユカリは笑った

 

 

 

 

『怒るかな?きっと、選べない』
そして彼女は寂しく笑う。
運命だと言った。自分たちが出会ったことを、ユカリにとってすべてが始まったあの時を。
選べなくて良い。他の奴らの心情などなんら気にしてはいなかったが、これだけは断言できる。選ばれなくても――――必要とされなくなっても。
彼女が失うことはない。絶対に。
いとしいひと。どうか気付かないでいてほしい。あなたが選べないのは、俺たちが選ばれることを望んでいないからだ。


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>ますみさん

こんにちは!拍手にコメント、ありがとうございます!
緩んだ顔でですか。笑
それはよかったです。まあわたしが書くものは妙にほのぼのとしてるのが多い気がするのでこれからもぜひ楽しんでくだされば嬉しいです。




何もかもが中途半端すぎて泣けてきます。もうほんとにごめんなさいねー……orz

やらなきゃならないこと、っていうかやってしまいたいことをつらつら考えてたらあまりにものサイトの更新の遅さに泣けてくる。ともかく企画!!頑張れ企画!!やればできる私!!

とかいいつつ次は日記にて地味にやってるポケモンでのお題が更新らしい更新になりそうですが。
うー、……やればできる。できる。(自己暗示)


ポケモンで金銀のリメイク版が出るそうですな。
買おうか買うまいか。今考えると金銀ってべらぼーに面白かったような。年代がゲームにハマってたこととも関係してるのかもしれませんけど。
プラチナ?でしたっけ。そのソフトを入手できてないので新しい子たちがほんとわかんないんですよね。
ポッチャマくらいしか知らないよ。進化するとオウサマペンギンっぽくなるんでしたっけ?
違ったらすみません。話でしか聞いたことないんです。

お勧めだよーって方いたらまた教えてください。映像はきれいなんですよね。
かわいいポケモンの子とかいるんでしょか。











どうも、バイト先にたどりつくほんと直っ全に通り雨に降られる管理人です。
まったくもう。雨女の称号をほしいままにしてます。梅雨はあけたのではなかったのか!!

まさに高校野球の季節がやってきましたね!
今年はそこそこ観戦できそうなので楽しみです。テレビでですけど。
日中なんかあれ地獄ですよ。日差しピカー!!気温ガー!!ですからね。
あんな暑い中動き回る選手の大変さはいうまでもなく応援にも体力がいりますからね。


いまさら感が漂いますけれど、おお振り12巻のこと。
西広くんが三橋くんと阿倍君のレガース手伝ってるちょっと前あたりの泉君と花井君との会話が好きです。
「なあ守備動いてんの気づいてた?」のとこ。
泉君は負けん気が強いなー。舌打ちしてる泉君はとても高校生らしくて良いです。
田島くんのライバルは花井君って思ってたんですけども(花井君が総合で2位だと監督もおっしゃってたので)よく考えると、今回同じシフトひかれてるあたり、体格やらもろもろが違う花井君より泉君のがはっきりと差というものが現われてるのかなと思いました。そうだとしたら悔しいだろうな、と。
泉君は花井君と違って内でもんもんしてるタイプではないでしょうけど。

点取るって言ったくせに取れなかったこと思い出して恥ずかしがってる彼も非常にかわいらしかったですが、あんなの気にしてるの花井君ぐらいなのにいい加減気づくべきだ、に一票。
部内一女々しいのは間違いなく彼だ。(監督も千代ちゃんも入れた中で)
三橋くんは良くも悪くも自分のことしか考えてないからことごとく花井君とすれ違ってるな。あれだけコミュニケーション取りづらい子も他にいるまい。がんばれキャプテン。たぶん一生苦労し続けると思うけど。


とっても遅くなりました!!
拍手のお返事、続きからどうぞ!
気力の源、ありがとうございます^^









予告通り連載の続きをアップできましたー!!わー、ぱちぱち。
灯すの4話。そろそろ次の段階に進みたいが、やつらはのろのろするのがお好きなようなのでどうなることやら。

ヒロインと花井君以外の二人に関しては、なぜ二人なのかというとただ単純にわたしが好きなだけです。
泉君ほど男前な子いないし栄口君以上に癒される子なんていないわ!という同士募集中です。笑

花井君のどこが一番可愛いかというと、あの当初のツンツンした感じからは想像もできなかったぐらいいい子に変貌したとこです。可愛すぎるよ。そうだね、あんなお母様とあんな可愛い妹に囲まれて育ったなら反抗期になることもできなかったよね。だから高校生にもなったんだし、とか思って頑張ってみたらあの監督にぺしゃんこにされたんだよね。可愛すぎる。高校生らしく青春してるなって、西浦の中でも一番思う子です。葛藤とかぐしゃぐしゃしたものを、悩みながら全部成長に変えていける男の子。時間はかかりそうですけども。

更新した話とは何の関係もなくなってしまったな。
夢歴は、書きたいシーンがぱっと浮かんで書き出してみたお話なんですけど、はやくそこまでたどり着きたいです。がんばるぞー。





material by アルフェッカ

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